男性にとって薄毛というものは年齢とともに深刻なコンプレックスであり、以前は薄毛になってしまうとかつらを使用するかそれともそのまま潔く自分の姿を受け入れるかしか方法はありませんでしたが、最近は自毛植毛の技術がめまぐるしく進化し有名人も植毛を利用する時代になり、薄毛で悩む方にとってはコンプレックスを克服できるようなってきました。しかし自毛植毛は実際にどのように行うのか、どのような種類があり、どの方法が自分にとって合っているのか、自毛植毛後はどのように生活をすればよいのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
FUE法、FUT法、自動植毛機、単一植毛法など様々な種類の自毛植毛の中でも、今回は「FUT植毛」という方法についてピックアップして、その方法からメリット、デメリットを踏まえた特徴について説明をしていきます。植毛手術はどの方法でも、ドナーと呼ばれる移植毛を採取し、ドナーを株分けして、移植毛を植え込みという過程は共通していますが、その過程一つ一つの方法が違うのです。FUT法はストリップ法とも呼ばれ、自毛植毛の主流である方法で日本でも数多くの植毛クリニックが取り入れている方法で、後頭部にメスを入れて髪の毛を帯状に切り取るという方法でドナーを採取し、切り取った帯状の頭皮を1~4本の株に切り分けて、薄くなった部分にスリット(切り込み)を入れて、切り分けた株を植えこんでいくという方法です。
この方法のメリットは、定着率が高く世界中で広く普及されているため症例も多く安全であり実績があるということ、休止期の毛根が発毛する可能性も高いこと、仕上がりが極めて自然であるということがあげられます。一方のデメリットは、ドナーを採取する際に頭皮に傷跡が残ってしまうこと、顕微鏡下で1本ずつ作業を行うため時間がかかり医師によって熟練度が異なってしまうことです。
ここ数年で急激に日本のクリニックでも取り入れられている人気の手術法にFUE法というものがあり、FUT法で頭皮に傷が残ってしまうことが気になる人にとって、こちらの方法はメスを入れることなく間引きしながらドナーを採取するため傷が残ることがないということが喜ばれています。しかし、FUT法に比べて、広範囲のドナーをいっきに採取することができないためドナー採取に時間がかかるため広範囲の植毛には向いていない、毛根の切断率が高く発毛率が低い、費用がFUT法よりも1.5倍ほ高いということがデメリットとしてあげられています。なお、傷跡が残りますが更に定着率が高い植毛手術としてHair Moving植毛法という方法があります。ドナーを1本1本(毛包単位)、手作業で丁寧に切り分けます。このHair Moving植毛法はAGAスキンクリニックで受けられます。定着率だけではなく、コスト感や傷跡など、多角的に比較して植毛方法は決定しましょう。
また植毛をした際に面倒なアフターケアは必要はありませんが、移植毛の定着率を高めるために植毛後1週間ほどは長時間の入浴や激しい運動、飲酒、タバコなどを控えとよいといわれています。また植毛後の通院はFUT法の場合抜糸が必要となるため、術後10日から2週間後に必要ではありますが、それ以降は1~2か月後に経過観察のために診察をうければトラブルがない限り、そこで通院は終了となりますが、医師によってその指示は様々です。
以上のようにFUT法にメリット、デメリットがあるようにここでは紹介していない植毛法もそれぞれに特徴があり、どの方法が一番よいのかは人それぞれであるため一概には言えず、クリニックによっても、あるところはFUT法を得意とし、あるところでは単一植毛法を得意としているなど、それぞれの特徴があります。自毛移植を考えている方は、自分にとってどの方法が一番合うのか、それぞれの方法のメリットとデメリットなど自毛植毛についてのある程度の知識を身につけ、また信頼できる医師とめぐりあうためにもまず医師とのカウンセリングから始めてはいかがでしょうか。